拡大《ディエゴの胸像》

アルベルト・ジャコメッティ

《ディエゴの胸像》

1954-55年  ブロンズ

スイスの彫刻家・画家ジャコメッティは、若くしてシュルレアリスムの周辺で高い評価を受けた後、1940年代以降は主題を一変させ、人物の姿を見えるままに再現する試みに専心しました。この作品は、1951年から約4年間にわたって制作された、弟ディエゴをモデルとする肖像群の中の1点です。胸部の安定感と対照的に、首から上は頂部をなす鼻筋と唇、顎を残して肉が削ぎ落とされ、頭部の形態を把握する難しさを物語ります。結果として彫像の獲得した正面性は、見る者をおのずと正対させ、それはモデルを凝視する作家の視線をなぞることになるのです。

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《ディエゴの胸像》