藤田嗣治
《横たわる女と猫》
1932年 油彩・カンヴァス
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 C4469
新たな画業の展開を求め、藤田嗣治は1931(昭和6)年に中南米へと旅立ちました。そしてブラジルからアルゼンチン、ボリビア、ペルーなどを周遊し、作風は、鮮やかな色彩とより写実的な描写へと大きく変化しました。この作品は、右下の署名と年記から、1932年にリオ・デ・ジャネイロで描かれたことがわかっています。しかし、この時期の特徴である鮮やかな色彩表現は見られません。むしろ乳白色の下地や繊細な線描といった、エコール・ド・パリ時代の技法を用いて、藤田の得意としたモティーフである女性と猫が描かれています。
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