鈴木其一
《富士筑波山図屛風》
江戸時代 19世紀 紙本金地著色
江戸時代になると、富士山や筑波山は、東の都・大江戸のシンボルとして扱われるようになり、文学や絵画においてもよく取り上げられる題材となりました。雪をかぶり白く輝く富士山は、松林や汀に見える聖牛(現代のテトラポッドのようなもの)の存在から、富士川から望んだ姿と思われ、男体山と女体山2つの峰を持つ筑波山は、おそらく利根川や霞ヶ浦方面から眺めた姿と考えられます。「噲々其一」の署名と「庭柏子」の朱文円印は、酒井抱一がその腕を信頼した鈴木其一のものです。噲々と号すようになったのは師が没した頃で、独特な感覚を表し始めた其一40代頃の作品であることがわかります。
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