プレオープンプログラム レクチャー「はじめまして、新しい仲間たち」「《洛中洛外図屛風》:17世紀の京のようす」

2019.10.05
10月5日(土)、プレレクチャー「はじめまして、新しい仲間たち」の2回目、「《洛中洛外図屛風》:17世紀の京のようす」が行われました。講師は、当館学芸担当課長の平間理香。 主として近世以前の絵画作品を展示するために、4階に設置された幅15メートルのドイツ製高透過ガラスのケースに入る最初の作品が、江戸時代初期の17世紀に描かれ、21世紀に入ってから市場に現れたこの屛風です。室町時代末の16世紀後半から300年間にわたって描き続けられた、京都市街地を俯瞰して描く洛中洛外図屛風は、現在確認されているだけでも170点ほどです。大画面にもかかわらずこれだけ多数の作例が残っているのは、なによりも需要が高かったから。当館の作品も、京都の東半分である左京を右隻に、西半分の右京を左隻、という定型を踏まえ、清水寺や八坂神社、金閣寺といった人気名所である寺社、御所や二条城という京都の政治を象徴する建造物をちりばめ、その合間に市井の人々の生き生きとした姿や賑わいをはめ込んでいます。その市中をちょうど行き交っているのが、祇園祭の山鉾巡行。聖なる空間、俗なる空間の、近世日本らしい混じりあいが興味深く展開され、見飽きない画面に仕上がっています。
プレオープンプログラム レクチャー「はじめまして、新しい仲間たち」「《洛中洛外図屛風》:17世紀の京のようす」
プレオープンプログラム レクチャー「はじめまして、新しい仲間たち」「《洛中洛外図屛風》:17世紀の京のようす」