ARCレクチャー「中村彝(つね)とレンブラント − 自画像の魅力」

2019.05.25
5月25日(土)にARCレクチャーを開催しました。第9回目となる今回は、学芸員の田所夏子より、石橋財団コレクションの中村彝とレンブラントの自画像作品を中心に、自画像の魅力についてお話ししました。 大正期の画家、中村彝は、短い生涯の中で多くの自画像を制作しました。苦学生だった中村にとって、自画像は自己表現であると同時に、モデルにお金がかからない題材でもありました。彼はレンブラントの技法を自分のものにしようと、レンブラントの画集から熱心に研究しました。 中村が崇拝したレンブラントは、17世紀オランダで活躍し、素描や版画、油彩画など、様々な手法で多くの自画像を残しました。レンブラントが手掛けた自画像そして人物を特定しない「トローニー」と呼ばれる肖像画は、当時大変人気がありました。 石橋財団のコレクションには、中村彝、レンブラントをはじめ、マネ、セザンヌ、小出楢重などの自画像作品があります。アーティゾン美術館が開館したら、ぜひ実際の作品をご覧いただき、自画像作品の魅力に直接接していただければ幸いです。
ARCレクチャー「中村彝(つね)とレンブラント − 自画像の魅力」
ARCレクチャー「中村彝(つね)とレンブラント − 自画像の魅力」