オーギュスト・ロダン
《考える人》
1902年頃 ブロンズ
ロダンの代表作であるばかりでなく、近代彫刻の中でもひときわ有名な《考える人》も、《地獄の門》の構想から生まれました。《地獄の門》のテュンパヌム(扉上部の半円形の空間)の中央に位置する人物像から独立して制作された作品です。この門の全体の構想はダンテの『神曲』の『地獄篇』から想を得ています。門全体を支配するこの人物は、地獄を見下ろして人間の運命を思案するダンテ自身の姿でした。しかし、制作が進むにつれてその意味は変貌し、人間の運命について永遠に思考する普遍的な存在になりました。《考える人》は、サイズが大型・中型・小型の3種類があります。ブリヂストン美術館の作品は1902年頃に鋳造された小型のサイズです。
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