拡大《07.06.85》

ザオ・ウーキー

《07.06.85》

1985年  油彩・カンヴァス

ウーキーは、中国で東西の絵画を学んだのち、1948年にパリに渡り、同時代の叙情的抽象の動向に交わる中で、東洋的な宇宙観の息づく独自の画境を切り開きました。画題は作品が完成した日・月・年を示し、画面は言葉による規定を免れています。色彩の厚みと濃淡を伴って荒波のように立ち上がる青の色面、その下で白がつくる水平方向の流れは、緊張に満ちた力の均衡が視覚化されているかのようです。自然を形づくる力学を大胆につかみ出し、自在な筆致にその感性の働きを表出させているところに、ウーキー円熟期の魅力がうかがえます。

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《07.06.85》