拡大《アッティカ黒像式頸部アンフォラ「ヘラクレスとケルベロス図」》

「ブーローニュ441の画家」

《アッティカ黒像式頸部アンフォラ「ヘラクレスとケルベロス図」》

紀元前520-510年頃  

ライオンの毛皮を着て、棍棒を手にしたヘラクレスが、大きな犬を捕まえようと、背後から近づいています。犬の頭は2つあり、ひとつは前を、もうひとつの頭は後ろを向いています。ギリシア神話に語られたヘラクレスの12功業のうちの冥府の番犬ケルベロス(伝承では3つの頭を持つ犬といわれます)の生け捕りの場面です。犬の脇には、羽根飾りのついた兜をかぶった軍神アテナが長槍を手に、前方を指しながら足早に歩き、その先には翼のついた長靴を履いた伝令神ヘルメスの姿が見えます。この2神はここでは、ヘラクレスの冒険を見守り、先導する守護神として登場しています。
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《アッティカ黒像式頸部アンフォラ「ヘラクレスとケルベロス図」》