拡大《無題》

マーク・ロスコ

《無題》

1969年   アクリル・カンヴァスに貼られた紙

ロスコは、1950–60年代にかけてアメリカで興隆した抽象表現主義の代表的な画家です。カラーフィールド・ペインティングと称された、色面構成に基づくその様式は、高く評価されました。この作品はロスコ最晩年の作で、縦長の画面に矩形の色面が配された構成は画家の代名詞といえるものです。2つの矩形を彩るピンクの色調、そして筆致の差異は、絶えざる凝視を促します。また、複雑に塗り込められて生まれた色彩の深遠な奥行きは、大きな画面と相まって見る者を包み込むように働き、瞑想的な気分をもたらします。
このページをシェア
《無題》