拡大《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》

ピエール=オーギュスト・ルノワール

《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》

1876年   油彩・カンヴァス

印象派の画家ルノワールは、友人のモネとともに戸外制作に基づく風景画を描くかたわら、都市風俗や人物画にも早くから関心を示しました。30代半ばのルノワールはすぐれた肖像画を多く手がけました。
 この作品に描かれているのは、ジョルジュ・シャルパンティエの当時4歳の長女ジョルジェット。青色のドレスと靴下を身につけたジョルジェットは、椅子にすわって微笑んでいます。伝統的な肖像画のような堅苦しい雰囲気はなく、モデルのくつろいだ様子が生き生きと表現されています。足を組んだおしゃまなポーズと大き過ぎる大人用の椅子との対比により、少女の可愛らしさが際立ちます。近くで見ると、影の表現に青い線が使われているのがわかります。床には絨毯が敷かれ、家具の上には花瓶が飾られており、19世紀のパリの裕福な家庭の様子を伝えてくれます。
 パリで出版業を営んでいたシャルパンティエは、ゾラやモーパッサンらの小説を出版する一方、自宅で文学サロンを開いていました。妻マルグリットが主催したそのサロンは、芸術家や政治家などが集まる社交の場でした。1875年に印象派の画家たちが開催した作品売り立てで、夫妻はルノワールの作品3点を購入し、その後、両者は親しく交流するようになりました。このジョルジェットの肖像画は、シャルパンティエ家の肖像画として最初に依頼されたものです。

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