拡大《無題》

アーシル・ゴーキー

《無題》

1946年頃  クレヨン、パステル・紙

ゴーキーはアルメニア人のアメリカで活動した画家です。フランスから渡米したアンドレ・ブルトンらシュルレアリストたちとの親交を契機に、抽象的絵画を制作するようになりました。晩年に描かれたこの作品においては、形の定まらない形態が浮遊物のように画面全体に展開しているように描かれています。繊細かつ自由なクレヨンの線によって有機的形態が画面を覆い、ところどころにパステルで色が施されています。中心点を持たない画面構成は、のちに興隆する抽象表現主義に多大な影響を与えました。
このページをシェア
《無題》