拡大《退屈な氾濫》

ヴォルス

《退屈な氾濫》

1946年  グワッシュ・紙

ヴォルスこと、アルフレッド・オットー・ヴォルフガング・シュルツは、シュルレアリスムの影響下に、繊細な描写で夢想的なイメージを追求した画家です。1932年にパリに出て、自らヴォルスと名乗って写真家として活動するかたわら、素描や水彩を人知れず制作する独自の画業を展開しました。この作品では、細やかな線で描かれた植物にも動物にも見える形が、画題にあるように、紙上に氾濫しているかのようです。自ら生命を持ち繁殖しているかのように連なる線の動きは有機的で、形象から自由なイメージを紡ぎ出し、淡い色彩を帯びて詩情をたたえています。

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