エミリー・カーメ・イングワリィ
《春の風景》
1993年 合成ポリマー絵具・カンヴァス
©VISCOPY, Sydney & JASPAR, Tokyo, 2019 C3091
イングワリィは、オーストラリアを代表するアボリジナル・アーティストのひとりです。78歳頃から本格的に絵画を描き始め、亡くなるまでの8年間で、約3000点以上の作品を残しました。彼女はそれらの作品を通して、ただひとつの物語を語っています。それは、イングワリィの故郷アルハルゲラであり、その土地と深く結びついたドリーミング(アボリジニの精神世界観)です。この作品はそこでの春の風景が描かれ、画面全体を覆う点描は、力強くエネルギッシュです。紫、オレンジ、黄や緑色といった色彩が互いにぶつかり、重なり合い、渦まきながら、みずみずしい生命の息吹を感じさせます。
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