拡大《糺の森 秋雨》

横山大観

《糺の森 秋雨》

1919年  絹本著色

森に降る雨は、秋の霧のように小さな雨なのでしょうか。それとも、雨のあがったところでしょうか。大気はしっとりと潤い、樹も柵も灯籠も、そのシルエットを霞ませています。糺の森は、京都下鴨神社の森です。平安時代の和歌にもあり、古くより親しまれていた神聖な場所です。この絵は、大正8(1919)年に大阪高島屋で開催された「洛中洛外雨十題展」に出品されたものです。《三条大橋雨》、《堅田暮雨》、《宇治川雷雨》、《辰巳橋夜雨》、《八幡緑雨》、《東山煙雨》、《伏見時雨》、《嵐山春雨》、《湖上驟雨》と、京の名所に降る雨を、さまざまな季節や時間帯でえがいた、一連の作品のひとつです。

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《糺の森 秋雨》