拡大《立てるフォーネス》

オーギュスト・ロダン

《立てるフォーネス》

1884年頃  大理石

ロダンは、生命感豊かな量塊表現と先鋭的な造形感覚によって、世に賛否を巻き起こしつつ彫刻に新たな領野を開いた、近代彫刻の父と呼ぶべき芸術家です。この作品の主題であるフォーネスは、ローマ神話の牧神に付き従う森の精です。1880年に制作が始まる《地獄の門》には、直立するフォーネスの姿も、扉上部の右端に見られます。この大理石による単独像では、顔を伏せるポーズで恥じらいを表現しながら、岩から生まれ出たかのような、みずみずしく力強い身体表現が特徴をなしています。

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《立てるフォーネス》