拡大《椅子によれる》

伊原宇三郎

《椅子によれる》

1929年  油彩・カンヴァス

伊原宇三郎は東京美術学校で教鞭をとり、日本美術家連盟の創立などに尽力しました。天皇から政治家、実業家まで手がけた肖像画は約300点ともいわれ、当館にも確かな技術に基づく写実的な石橋正二郎の肖像画が残されています。パリ留学直後に描かれたこの作品には、ひじ掛け椅子にどっしりとすわる裸婦が描かれています。量感のある人物表現と大きな手からは新古典主義の時代のパブロ・ピカソの作風が想起されます。のちに『ピカソ画集』(1932年)や『キュービズム』(1937年)を著すほど、伊原は滞欧中ピカソに傾倒しました。手に持つ楽譜にはどのような曲が書かれているのでしょうか。第10回帝展で特選となった作品です。

その他の作品

もっと見る
このページをシェア
《椅子によれる》