拡大《裸婦》

長谷川利行

《裸婦》

1938年  油彩・カンヴァス

京都に生まれた長谷川利行は、詩や短歌に親しむ青春時代を過ごしました。30歳になる頃、画家になることを天職と信じ、東京に活動の場を移します。そして1927(昭和2)年、36歳で第14回二科展の樗牛賞を受賞し、華々しく画壇デビューを果たしました。1938年の一時期、画家の手塚一夫と浦安あたりの船堀で暮らし、夜通し飲み歩いては、モデル市で女を見つけ写生する生活を続けたといいます。この作品には、スピード感のある奔放な筆致と、明るい色彩に溢れた画風で知られる長谷川の特徴が見出せます。粗々しい表現の一方で、一連の裸婦を描いた作品の中でも高い完成度を示しています。

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