拡大《大穴牟知命》

青木繁

《大穴牟知命》

1905年  油彩・カンヴァス

『古事記』の一場面です。大穴牟知命は大国主命の別名。大穴牟知は兄たちに謀られて焼け死に、それを悲しんだ母の願いを聞き入れた神産巣日神が蚶貝比売と蛤貝比売を遣わします。蚶貝比売が貝殻を削った粉に、蛤貝比売が乳汁を混ぜ合わせ、それを大穴牟知の体に塗りつけると蘇生しました。彼はその後数々の苦難を乗り越えて地上の支配者となります。手前に横たわる裸身の大穴牟知、左に蚶貝比売、右が乳房をつかむ蛤貝比売です。蛤貝比売がこちらを見つめる眼差しが、神話の世界と私たちをつなぐ強い絆になっています。

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《大穴牟知命》