1905年5月から9月まで、マティスは、友人で画家のドランとともに、南フランスの小さな漁村コリウールに滞在し、それまでの点描から色面での表現へと大きく画風を変化させました。この作品では風景が大胆に表現されています。色彩が自由に使われており、中央の緑色は教会、前景に広がる薄緑色は浜辺、右側のピンク色はヨットの浮かぶ海です。同年のサロン・ドートンヌでは、マティスら若い画家たちは、原色を多用した粗々しい筆づかいから、フォーヴ(野獣)と評されました。ここからフォーヴィスム(野獣派)という名称が誕生しました。