ギュスターヴ・モロー
《化粧》
1885-90年頃 グワッシュ、水彩・紙
マティスやルオーらの師としても知られるモローは、サロンで成功を収め、エコール・デ・ボザール教授、美術アカデミーの要職に就きました。神話や聖書、文学作品を主題にした、華麗な色彩と精緻な線の作品により、1860年代に独自の世界を確立しました。この作品には、華やかに着飾って立つひとりの女性が描かれています。彼女は左肘をついた憂いのポーズをしていますが、作品の画題は曖昧です。左下に「化粧」という書き込みがあることから、このタイトルがついています。装いを終えたばかりの女性の装身具や衣装は艶やかで、水彩絵具のにじみやたまりを利用した手法が使われています。
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