1920年にドニはスイス、ジュネーヴの毛皮店「ティーグル・ロワイヤル(ベンガル虎)」から注文を受け、大装飾画《バッカス祭》(完成作は分割。一部は新潟県立近代美術館)を描きました。この作品はその準備のために描かれた下絵ではありますが、かなり細かく描かれています。バッカス祭とは古代ギリシアからローマへと引き継がれた酒神バッカス(ディオニュソス)を祀る密儀ですが、ルネサンス期以降好んで描かれた神話主題のひとつでした。中央に描かれている虎は注文主の意向であり、その他にも店で扱うのであろう動物が描かれています。