拡大《ヴェルノン付近の風景》

ピエール・ボナール

《ヴェルノン付近の風景》

1929年  油彩・カンヴァス

ボナールは、ゴーガンと象徴主義の影響下に結成されたナビ派(ヘブライ語で「預言者」)の一員として画業を開始した後、1900年代以降は日常生活の中に題材を求め、色彩の効果を追求する独自の画境を切り開きました。この作品の舞台であるセーヌ川沿いの街ヴェルノン近郊には、「マ・ルロット(私の家馬車)」と自ら名づけた、この時期のボナールの家がありました。草木の緑が正方形の画面を縁取るように配される一方で、明度の異なる多様な色彩が隅々まで注意深く組織された画面には、活気と緊張がみなぎっています。

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