エミール=アントワーヌ・ブールデル
《ペネロープ》
1909年 ブロンズ
大きく張り出した衣装の襞が優雅な曲線を形作っています。右足に重心をかけ、左足を遊ばせているポーズは、古典主義的な安定感と静かな動きを生み出しています。どっしりとした下半身の上に、顎に手をあてた憂いのポーズの上半身が載せられています。この女性ペネロープは、ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公オデュッセウスの美しい妻です。オデュッセウスがトロイア戦争に遠征中、彼女は大勢の求婚者たちに悩まされます。ペネロープは夫の棺に被せる布を織り終えたら結婚すると宣言し、昼間織っては夜にほどいて3年を過ごしました。このペネロープは、夫の無事を信じ、ひたすら夫を待つ女性として表現されています。
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