拡大《屋島よりの遠望》

藤島武二

《屋島よりの遠望》

1932年  油彩・カンヴァス

藤島武二は国立公園協会の依嘱を受けて、瀬戸内海の景勝地屋島に、取材のために夏の1カ月滞在しました。屋島は、香川県高松市の北西に位置し、瀬戸内海に向かって真北へ突き出た台地状の小さな半島です。その頂上に近い宿に泊まった藤島は、夜明けには真東に向かい、古戦場の入り江を挟んでそびえ立つ五剣山の稜線から昇る朝日を描きました。朝食、昼食をとって休んだ後、午後には西側の志度湾や女木島を描きました。この作品は午後に描かれた1点で、不要な他の島影を省いて画面を整理し、次第に夕陽が空と海と女木島の色を変化させていく様子を演出しています。

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