拡大《魚を持ってきた海女》

坂本繁二郎

《魚を持ってきた海女》

1913年  油彩・カンヴァス

坂本繁二郎31歳の作品です。前年、文展に出品した作品を夏目漱石に評価され、画壇で注目を集めました。漁を終えた海女が一服しているところでしょうか。外房旅行で着想を得た作品と考えられています。たらいや網、柄杓、松の枝、煙管など、円形や直線が巧みに配され、形態のリズムやバランスが熟慮されています。初期の作品には、この作品のように筆触を残した印象派的な表現が用いられました。この翌年、坂本は反官展を標榜する二科会結成に参加したため、これが最後の文展出品作となりました。

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《魚を持ってきた海女》