拡大《禅機図断簡 丹霞焼仏図》

因陀羅

《禅機図断簡 丹霞焼仏図》

元時代 14世紀  紙本墨画

左側、たき火に手をかざすのは中国唐代の禅僧丹霞です。燃やしているのは、仏像。右側の僧侶にその行動をとがめられているのですが、逆に偶像崇拝の無意味さをつき、やり返してしまいます。水気の少ない筆で表された樹木や、丹霞のシニカルな表情、僧侶の指先をもが、この場の雰囲気を伝えているようです。
 《寒山拾得図》(東京国立博物館)、《布袋図》(根津美術館)、《智常禅師図》(静嘉堂文庫美術館)、《智常李渤図》(畠山記念館)とあわせ、もとはひとつの巻物として伝来したと考えられます。いずれも絵は因陀羅、賛は楚石梵琦。ともに元末14世紀に活躍していた高僧です。
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《禅機図断簡 丹霞焼仏図》